不動産を貸すということ。

(相談内容)

少し前に、住宅ローンで不動産を購入しました。
そのころは、上場企業勤務で収入も安定して、比較的簡単にローンを組めました。
物件価格は2400万円の新築でしたが、自分の好みにカスタマイズするために
リフォームしたので、結局2800万円ローンを組みました。
月々9万円くらい返済していました。
ところが、しばらくして、会社をやめて自営業をはじめました。
会社勤めのころのように給料が安定せず、住宅ローンの返済も苦しくなってきて、
実は、最近、金融機関に頼んで、しばらくの間は、金利の返済だけでいいようにして
もらいました。
なんとか、返済しているのですが、もういっそのこと家を売ろうかな?と思っています。
ただ、残りのローンはまだ2700万円くらい残っています。
売っても、今の相場だと2300万円か2400万円くらいだそうです。
この差額の300万円とか400万円のめどはつかないから、売ることはできません。
でも、だからといって、このままおいていても、ローンも減っていかないし、金利だけ
返す、というのは暫定的な措置なんです。
本当にどうしたらいいかわからなくて、困っているのです。
なんとかできませんか?

(当社の考え方の例)

色んな問題を含んでいますね。
大変です。

まず、①住宅ローンの組み方 なのですが、
リフォームや諸費用も貸りて物件価格以上のお金を借りることを「オーバーローン」という
わけですが、このオーバーローンはもろ刃の剣と言えます。
やっぱり想定外のことが起きた場合に、お金で詰まってしまう可能性が高いんです。
もちろん、上場企業勤務など、高い信用力があればオーバーローンだって簡単にできますが、
できるだけ避ける方が好ましい。
オーバーローンを避ける方法それは、ひとえに物件価格の交渉だと思います。
上手く交渉するには、実はもろもろ事前準備と状況の調査が必要です。
この方の場合、そこの部分でもっと上手くやっていれば、このような状況に陥らなかった
かもしれません。
購入するときは、先々のことも考えてくださいね。
このあたりは、また、住宅ローンに関する事として書かせていただきます。

次に、②金利の返済だけにしてもらっている、という部分ですが、
これはいわゆる「リスケジュール」っていいます。
略して、「リスケ」です。
リスケって、一般的に金融機関は一度はやってくれます。
広い意味では、当初条件の変更ということなので、実は、色んなリスケがあるのですが、
それは、それで、リスケの項目で詳しく書いていこうと思います。
少し前に流行った住宅ローンの借り換えなんてのも、リスケでこなせてしまうかも??

さらに、③残債が売却額を上回ってしまう、という現象ですが、
これを切り抜けるには、基本的には、任意売却という手続きです。
任意売却って、万能ではなくて、リスクもあるので、じつはこの方の場合、あまり任意売却
には適さないのかな?ということでしませんでした。
でも、任意売却は一定の場合、とっても有効です。
任意売却についても、別のところで書かせてもらっています。

最後に、④本件の措置ですが、最終的に賃貸に出すことにしました。
実は、この方、遠くに引越ししてしまう予定とのことなので、賃貸に出すことで出口を探そうかということになります。

プランとしては、
1、賃貸に出す
2、半年間は金利の返済のみを継続して、お金をストックする
3、半年後から通常の返済に戻す
4、残債が減り、売却額が住宅ローン額を上回った段階か、入居者が退去した段階か
で売却する。
というものです。

1、賃貸に出す・・・については、うまく賃料11万円で借り手が見つかりました。
年間にすると132万円。ローンを通常に返済すれば、約100万円の返済、固定資産税が
年間10万円程度。
だとすると、年間でおよそ20万円程度のプラスがでます。
月に1~2万円の利益というところでしょうか。

2、半年間、金利の支払いだけにしてもらうことで、おそらく、月額9万円程度のプラスがでるかなと。
そして半年なので、54万円。これを原資として、不測の事態に備えてもらうと。

3、54万円を原資にしてもらって、毎月2万ストックして、毎年固定資産税を払ってもらう。
これで、少しずつですが、お金回りを改善できるかなと。

4、これで、年間70~80万円の返済ができます。残債2700万として、5年間返して、相場が上がっていれば、
たぶん上手く売り抜けます。

この一連の計画を支えているのは、本物件の所在地です。
けっこう人気地域でおそらく値段上がっているんです。
上手く値段があがってくれれば、最終的にプラスを出して終われるかもしれません。

一見完璧な計画に見えますが、若干の弱点もあります。
それは、住宅ローン控除です。
賃貸で貸してしまうと、それまでのように住宅ローン控除が受けれないことです。
ただ、この方の場合、当初住宅ローン控除が有効であったとしても、その後、所得が下がりすぎてしまっているので、住宅ローン控除の意味があまりないかもしれませんので、その場合は、弱点と言えないでしょう。そもそも税金を払わなかったら、住宅ローン控除ってそれほど効果的じゃないので。
不動産を貸すというのは、利回りを期待して、収益をあげるというのも一つの考え方ですが、こういう貸し方もあるわけです。

ただ、この場合は、割と逃げというか消極的な賃貸です。

同じようなパターンでも、もっと積極的なやり方もあります。
それはまた、別のところで書かせてもらいます。