【賃貸Q&A vol.5 退去時の借主の原状回復】

Q 賃貸物件を退去しようとしたのですが、管理会社から「網戸が壊れている」とか「クロスが汚れている」などと言われて、費用の支払いを求めらえました。どうしたらいいのですか?

A 退去に伴う「原状回復義務」の問題です。
とても簡単に説明すると、

「借り始めたときの状態最高にキレイ」-「経年劣化や自然損耗」=「返すときの状態」

です。
わざと壊してしまったり、重い過失がある場合は、経年劣化や自然損耗とは言えないくなります。
その部分については、借主さまが修理する必要があります。

ただし、借主さまが修理するといっても、場合によっては加入している保険を使えることもあります。
保険は商品によってその内容が異なりますが、保険金が出る条件というのがあります。

実は、「保険金が出る条件」と「管理会社などから修理を求められる条件」は別のものです。
つまり、保険で直すことができる場合もあるわけです。

Qに対する答えとしては、まずは保険が使えるかどうか、検討していただくことが必要かなと思います。

こういった支払いに関すること以前に、「そもそも管理会社からの請求に応じる必要があるか?」というのも関心事だと思います。

そこで、原状回復義務の内容について書かせていただきます。(ここからは、細かい内容になります。)

退去時に借主が負う可能性のある原状回復義務は法的に3種類に区分することができます。
①特約により「借主の修繕義務」が定めたれている場合の損耗箇所等の修繕義務
②用法違反(民法594-1)や保管義務違反(民法400)による損害賠償的な意味合いの原状回復義務
③元通りにするという意味の原状回復・収去義務

このうち、①と②に関しては借主の入居中に発生しているものなので、本来は入居中に措置をとっておくべきなので、特に借主の側に不都合がなければ、対応をとらない可能性があります。その場合、退去の際に問題になる可能性があります。

法律の話で少々ややこしいのですが、賃貸住宅の修繕義務は、「貸主」が負うことが原則になっています。(民法606)
ただ、今の賃貸の契約書では、特約で費用が軽微な一定範囲の「小修繕」については、「借主」とほぼ入っています。
これは、「賃貸住宅標準契約書」という不動産に関する協会などが、出している契約書の標準的な形式に入っているせいです。

一方で、「借主」に過大な負担をもとめる修繕は認められません。
過大な負担、、、例えば、浴室まるごと交換するとかは、過大な負担に当たる可能性があると思われます。
ただし、過大な負担といっても、賃料が著しく安く設定してあるなどの事情があれば、借主が修繕する必要があるケースもありますので、注意が必要です。
個別具体的な案件については、場合によっては弁護士の方に相談されることをおすすめします。

退去の際は、問題が起こりやすいのでご注意ください。
入居の際に、退去の時のことまで含めて、仲介業社のほうにご相談されるのがよいです。

あと、問題なく退去した場合は、前の物件で加入していた火災保険の解約を忘れないでください。
解約返戻金があることもあります。